
建築知識編集部が実施した読者アンケートから、建材・設備のトレンドを探ります。
日々設計・施工に携わる方々の生の声ならではの、リアルなデータが満載です。建材・設備選びで迷った際にもご活用ください!
読者461人アンケート
前2回に引き続き、「建築物の環境対策」について聞いた読者アンケートの結果から、今月は「太陽光発電システム」に関するデータをピックアップする。
太陽光・熱、風力、地熱などの自然エネルギーは、「再生可能エネルギー」であり、CO2排出量削減や脱化石燃料を可能にするエネルギー源として注目されている。なかでも太陽光発電は、すでに一般建築向けの設備が市場に出ており、その普及が期待されている。
しかしアンケート結果からは、太陽光発電システムの普及に向けた勢いが感じられない。「現在取り組んでいる」、また「今後強化したい」と考える環境対策としても、中位に甘んじている。
アンケート結果では、太陽光発電のデメリットとして、イニシャルコストの高さを挙げている割合が圧倒的に高い。つまり、今後システム導入時の費用負担の問題が改善されれば、普及に弾みがつくともいえよう。

メーカー別の太陽光発電システム採用実績では、シャープと京セラが2強となっている[図1]。回答者が取り組んでいる環境対策としては、「断熱・気密性の強化」と「自然素材の使用」の率が高い[図2]。
今後については、漠然とした「省エネ化」を除くと、断熱・気密性の強化、自然素材の使用に加え、「耐久性の向上」が上位となる[図3]。一方で、再生可能エネルギーや太陽光発電への関心はそれほど高くない。
太陽光発電システムの採用実績率は、全体の3割強であった[図4]。住宅用太陽光発電システム設置比率が、2005年度までの累積で全国平均5.1件/千戸なのと比べると、回答者の実績率は高いといえる。メーカーの採用基準は、トップが「メーカーの信頼度」、次が「価格」となっており、システムそのものの特徴で選ばれてはいない実態がみえる[図5]。採用建物の用途としては「戸建住宅」が圧倒的で[図6]、その結果、設置個所も「屋根」が多い[図7]。また、屋根材一体型システムの普及が進んでいない様子もみえる[図8]
太陽光発電システムと併用した機器としては、「エコキュート」「電気温水器」の率が高い。そもそもが発電を行うシステムであり、消費エネルギーの中心を電気におく生活と相性がよいことが、併用機器からも明らかになっている。太陽エネルギーの有効活用という点では、熱エネルギーの利用価値も大きい。4位に太陽熱温水器が入っていることから、そうした意識の高い建築主、設計者がしっかりと存在することもうかがえる。一方で、風力・地熱など、その他の再生可能エネルギーの併用率は非常に低くなっている
太陽光発電システムのメリットをみると、1位、3位、4位が「社会貢献」「イメージ」に関するものであり、具体的なメリットは、「光熱費を削減できる」が2位に入っている以外、低い回答率となっている。一方、デメリットとしては、「初期費用が高い」という具体的な問題点が、比類ない値を示している。このことから、太陽光発電システムがよいとは分かっているものの、導入時の費用的な問題が大きく、それを凌駕する具体的なメリットをつかめていない様子がみえる。また、助成金の復活を望むコメントも少なからずあった

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