建築知識編集部が実施した読者アンケートから、建材・設備のトレンドを探ります。
日々設計・施工に携わる方々の生の声ならではの、リアルなデータが満載です。建材・設備選びで迷った際にもご活用ください!
読者179人アンケート
今回は水廻り設備について聞いた読者アンケートの結果から、システムキッチンに関するデータをピックアップする。
台所は、単に炊事を行う部屋から、家族が集い、共に作業するための舞台としての性格が強まっている。 こうした傾向から、システムキッチンには「見せる」要素も求められるようになっており、製品・メーカー決定時も、意匠的要素が重視されている。
一方で、効率よく作業するための機能性への要望も依然高く、今後の要望としてもそうした項目が上位に入ってきている。
もっとも、選定時の重視事項、今後の要望とも、価格を挙げた率が突出している。意匠・機能性を高めつつ、どうコストメリットを出すかが、システムキッチンでユーザーの評価を高めるポイントのようだ。
採用実績のあるメーカーでは、上位6社が拮抗している[図1]。水廻り設備の情報源は、カタログ・Webが突出しており[図2]、建築主との打合せでもカタログが多用されている[図3]。 また、半数程度が水廻り設備は仕様化していないと答えており、建築主の要望に応じその都度選定する率が高いことが分かる[図4]。キッチンのスタイルとして楓対面式の率が群を抜いて高い[図8]。今後も、より開かれたキッチンへの流れは続きそうだ。
[図5]
製品単位で指定する率が半数を超えている。建築主の要望が明確に出やすい設備なだけに、指定も製品単位まで落とし込まれる率が高くなっていると考えられる。
[図6]
製品価格が圧倒的に重視され、これに続いて意匠的な要素が上位に多く見られる。6位に「高級感」が入っているのは、「見せるキッチン」の傾向の現れといえよう。
[図7]
価格が重視されるシステムキッチンにおいて、メインの価格帯は51~150万円のレンジとなっている。全体に、高級品よりは、リーズナブルなものが求められるようだ。
[図8]
頻繁に採用される率をみると、オープンタイプに類するものの率が高くなっている。現代の台所がより開かれた空間へと移行していることは明白である。
[図9]
[図6]と比べ、機能性に関する項目が上位に入っている。ただし、収納量や清掃のしやすさは「見映え」にもつながる要素で、台所のオープン化からくる要望ともいえそうだ。