
建築知識編集部が実施した読者アンケートから、建材・設備のトレンドを探ります。
日々設計・施工に携わる方々の生の声ならではの、リアルなデータが満載です。建材・設備選びで迷った際にもご活用ください!
読者184人アンケート
今回も前回に引き続き、防災対策について聞いた読者アンケートから、制振・免震建材・システムのデータを取り上げる。
地震国であるわが国において、建築物の耐震性は必須の要件だが、最近ではさらに、揺れの力自体を減免し、建築物に対する地震の影響を軽減するさまざまな制振・免震建材・システムが開発されている。
これらは、建築物にとって地震対策の有効な手段となり得るものだが、アンケートでは普及が進んでいない現状が明白になった。
最大の要因は、イニシャルコストである。制振部材で30~50万円、免震システムで200~300万円かかる導入コストは、コスト意識が高い昨今の建築主には、提案しづらいともいえよう。回答者も最大の課題としてイニシャルコストを挙げており、一層の普及には、この問題の解消が待たれるところだ。
![図1 会社別[制振・免震建材・システム]採用実績](/files/e/kenchi/ranking/rank16_z01.gif)
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採用実績のあるメーカーのトップは、「減震くん」に代表されるオイルダンパーシステムをもつ日立製作所だが、突出した実績とはなっていない[図1]。採用するシステムも、制振、免震とまちまちとなっている。今回の回答者中、制振・免震建材・システムの採用経験者は約2割と低い。さらに、その採用頻度も「稀」や「ほぼない」が圧倒的だ[図2~4]。制振・免震建材・システムの普及は、まだこれからといえそうだ。
[図5]
制振・免震建材・システム採用の決定者は「意匠設計者」が半数を超える。ただし、高額な装置なだけに建築主が直接判断するケースも多いとみられ、その割合は3割を超えている。
部材の使用点数の違いなども影響してか、制振部材の導入費用は、幅広い価格域に分散している[図6]。一方の免震部材は、300万円までにほぼ集約されている[図7]。
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[図8]
決定時には、イニシャルコストが群を抜いて重視されている。建築物の構造にかかわる部材だけに、製品の信頼度が重視され、むしろメンテナンス性は低位となっている。
[図9]
決定時と同様、イニシャルコストへの要望が飛び抜けている。反面、2位以下は横並びとなっており、制振・免震建材・システムへの要望は、コストに集中しているといえる。