SCENARIO023

現行の補助金制度には欠陥があるので、公的補助金には期待できないのが現状だろう。補助金というのは本来、ニーズ指向であるべきだが、今の補助金はシーズ志向になっている。
公的補助金の理想的な形、大学などの研究機関と産業界の連携ということでは、企業各社には課題やニーズがたくさんあるのだから、各企業が出した課題リストを公開して、それに対して研究者や研究機関が手を挙げるというのが理想だろう。課題の内容を評価して、課題自体に補助金を助成する。課題を出した企業にはその課題を解決するひも付きのお金を用意し、最適な研究機関に研究させる。解決すれば、研究機関に報酬としてお金を支払う。解決方法も自分の会社のクリティカルな問題に対するものなので、競合他社がまったく同じものを使えるわけではない。
新生銀行、旧日本長期信用銀行に投入された公的支援は8兆円以上、仮に10兆円として、1億円の塊にすれば、10万社に使える。応募数が多いからといって1,000万円単位に刻んではいけない。売上高が500億円の会社でも、1億円の研究開発費はかなりありがたいはず。企業に対して「1億円の補助金を出してあげるから、やりたいこと、解決したい問題を言いなさい」といって集める。「こういう問題が解決したら、こんな効果が見込める」ということを作文程度でいいから出させる。解決方法まではもちろんわからなくていい。これを解決したいというニーズに対しては、研究者や研究機関などに手を挙げさせ、1億円で解決のための研究に従事させるわけだ。どの研究機関に頼めばよいかは、企業と審査機関なり、コーディネーターが判断すればよい。
問題の解決に成功すれば企業の売上げ、利益も増えるはずだから、結果、法人税額が増える。税金額の増加分が1億に達したら返還しなくてもよしとする。問題を解決した研究機関は、1億円で受注した仕事の成果を商品化することもできる。さらに重要なことは、最終的にはきちんと総括すること。1年後、2年後、3年後と総括をして、企業も研究機関も審査員も、再度評価されるようにするのがポイントだ。
そういう仕組みの補助金制度ができれば、銀行に公的資金を投入するよりはるかに有意義だし、景気浮揚には圧倒的に効くはずだ。

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