HINT052

2次元CADはドラフタの延長であり、ドラフタを大きく超えるものではなかったといえる。例えばドラフタには、アパレル用とか、土木用、精密部品専用のドラフタというのはない。全部、同じドラフタで済んでしまう。同様に2次元CADも汎用で済んでしまう。
ところが3次元CADでは、ドラフタや2次元CADのように何でも構わないというわけにはいかない。3次元CADは、コンピュータ技術、画面表示技術、データベース技術、3次元空間にワイヤーフレームを表現する数学的な技術、面を表現する技術、演算する技術といったシーズを基礎にして作られている。一方で、電気設計の仕方と船舶の設計の仕方は違うし、オートバイと自動車の設計の仕方も異なる。同じ自動車にしてもボディとパワートレインとでは設計の仕方が全然違う。図面はプリミティブな表現手段のため、設計手法の違いを吸収できた。ところが3次元設計では、シーズベースで開発された道具と、ニーズとの乖離が露呈してしまった。つまり3次元CADは設計手法に合っていない新しい道具といえる。
図面を見ながら3次元モデルを作るモデラーとしては3次元CADは十分かもしれないが、デザインや構想設計といった発想する道具としては、まだまだ改善の余地があるといえる。

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