POINT070

2次元での設計作業では、頭の中の立体モデルを2次元で表現する翻訳能力のようなものが設計者には必須の能力だった。もちろん、設計の巧拙はそれがすべてではないが、翻訳能力、図面能力の有無によって設計者の最初の評価が決まってしまったという側面はあったように思う。
ところが3次元ツールの進展で事情は変わりつつある。実際、2次元設計では高い評価を得ておらず、落ちこぼれ的存在だった設計者に、「お前、ヒマなんだから3次元CADでもやっておけ」と、3次元CADを与えたところ、めきめき頭角を現したという例がある。彼は製図能力は低かったが、3次元ツールを得たことで、ほかの人より劣る図面能力を補って余りある能力を示したというわけだ。
こんな実例からもわかるように、設計者に要求される能力は、3次元化によって少し変わってきている。もちろん2次元設計のうまい設計者が3次元ツールを使いこなせればベストなのかもしれないが、図面能力が劣っていたことで冷遇されてきた設計者でも、活躍のチャンスは大いにあるということだ。昔は必須だったそろばんと何となく似てはいないだろうか。

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