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CAD・PC製品レビュー

操作の手間を軽減させた視認しやすいインターフェイスを採用し、表現力も向上した汎用2次元CAD

AutoCAD LT 2009

lt001.jpg大幅に刷新されたインターフェイス

機能ごとにグループ分けされ、アイコンがわかりやすくなるなど、改良されたユーザーインターフェイス。初心者への配慮と思いきや、CADを知り尽くしたベテランにも使いやすい。

インターフェイスが変更され操作性も向上

 インターフェイスの大幅なデザイン変更とともに、洗練された操作性を備えた「AutoCADLT 2009」(以下、LT 2009)が登場した。Windows Vistaに対応したさまざまな表示機能は、直観的な操作を可能とし、設計を大きくサポートする。設計作業においては、作業の段階に応じて使用するコマンドも変わるが、今回登場した「リボンパネル」では、コマンドのカテゴリ分けが可能なだけでなく、使用頻度に応じてコマンドの分類をカスタマイズできるので、どの段階でも素早くツール選択が行える。表示方法も、CUI カスタマイズで[、パレット][リボン][フローティング]から選択でき、ユーザーの使い勝手に合わせて自由にアレンジ可能だ。


 

lt002.jpg多彩な「リボンパネル」

業種や設計過程に合わせて、コマンドをカテゴリ分けしたり、使用頻度に合わせて、コマンドの表示方法をカスタマイズできるなど、自分の「設計道具箱」を作る感覚で自由自在に設定可能な「リボンパネル」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 メニューは「メニューブラウザ」へと集約されたが、特に操作の助けとなるのが、[検索]メニューだ。従来は、[ヘルプ]メニューで機能を検索した後に、改めてコマンドラインにそのコマンドを入力するという、2段階の操作が必要だった。LT 2009では、[検索]メニューで検索し、表示された検索結果のコマンド名を直接クリックすれば、コマンドを実行できる。
 カーソルを一定時間アイコン上に重ねると、通常のコマンド情報(ツールチップ)に加えて詳細な解説が表示される「拡張ツールチップ」も、初心者にとってはヘルプ検索などの手間がなくなるため、有効な機能だろう。拡張ツールチップは、表示/非表示設定や、表示時間を任意に設定できるため、ベテランユーザーにも邪魔にならない。ほかにサポート機能としては、[情報センター]が追加された。コマンドやキーワードを入力すれば、関連事項が分類別に閲覧できるほか、オートデスクのWebサイトから解決策も入手可能になった。


 

lt003.jpgコンパクトに統合された「メニューブラウザ」

AutoCADの「A」をアイコンにしたボタンをクリックすると表示されるメニューブラウザ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

lt004.jpg検索メニューでは、ダイレクトなコマンド入力が可能になった。また[オプション]へのショートカットが設けられるなど、コンパクトながら多彩な機能が満載されている。

 

 

 

 

 

 

 従来の[画層プロパティ管理]ダイアログボックスが、常に表示できるように変更された点も見逃せない。目立たない改善点ではあるが、ダイアログボックスをいちいち開閉する必要がなくなり、作図におけるストレスが大幅に解消される。また、ダイアログボックスの[適用]ボタンがなくなり、画層の切り替えや変更がダイレクトに反映されるようになった。また、カーソルをオブジェクトへ近づけるだけで情報が表示される[クイックプロパティ]は、表示項目をユーザーが設定できる上、従来のパレットが必要なくなり、作図領域を広く使える優れた機能だ。


 

lt005.jpgクイックアクセス

頻繁に使用するコマンドを登録できる「クイックアクセス」。ツールボタンにマウスを合わせると表示される「拡張ツールチップ」は、簡単なヘルプが表示されるので、初心者にはうれしい機能だ。表示/非表示なども設定可能。

 

 

 

 

lt006.jpgパレット化された[画層プロパティ管理]ダイアログボックス

画層設定などを行う[画層プロパティ管理]ダイアログボックスがパレット化され、「常時表示―自動的に隠す」や「透明化」設定が可能となった。[適用]ボタンがなくなったため、画層の切り替えや設定の変更が、作業ウィンドウ上にリアルタイムで反映される。

 

 

 

 

目的のファイルやレイアウトもダイレクトに選択

 CADによる設計では、参照図面を見ながら、複数の図面上で関連する部分を並行して作図しなくてはならないが、開いている図面ファイル名が同じであったり、複数のレイアウトを持つファイルであったりと、目的の図面を選択するのも一苦労だ。そこで活用できるのが、すでに開いているファイルのプレビューが一覧表示される「クイックビュー図面」と、さらに個別ファイルのレイアウトをプレビュー表示させる「クイックビューレイアウト」だ。両者は同時に使用でき、前者ではサムネイル上で、ファイルの新規作成/開く/閉じる/保存を、後者は印刷/マルチシートDWFをパブリッシュを実行可能だ。
 メニューブラウザ内の「最近使用したドキュメント」にある、「ピン」を活用すれば、使用したドキュメントが増えても、目的のファイルがピンで固定された場所に表示されるため、ファイル検索で探す必要もなくなる。


lt007.jpgクイックビュー図面とクイックビューレイアウト

OSがWindows XPでも、現在開いている図面ファイルと、そのモデル空間、ペーパー空間の内容がWindows Vistaライクなサムネイルで表示される。素早く図面を選択できるだけでなく、新規作成や印刷もサムネイル上で実行可能だ。

 

 

 

 

lt008.jpgログを頼りにファイルを選択

メニューやファイルの位置を固定できる「ピン」を使用して、展開したメニューを固定することで、「最近使用したドキュメント」が増えても、固定したファイルの表示順が下がらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

制限が少なくなりより自由な表現が可能に

 筆者にとってうれしい機能が、「矩形以外のビューポート」作成機能だ。矩形だけでなく、さまざまな形状の閉じたポリラインをビューポートに変換できるため、図面レイアウトでの表現のバリエーションを増やせる。
 さらに[ラスターイメージ参照]コマンドの追加により、さまざまな画像ファイルを図面上にレイアウトできるようになった。従来は別途ツールを使用しないと画像を貼り付けられなかったが、これでようやく、AutoCAD LTだけで図面と画像とを組み合わせたプレゼンテーション資料を作成できることとなった。
 操作性だけでなく、表現力も向上したLT 2009は、2次元CADのスタンダードとして、地歩を固めたといえるだろう。

 

lt009.jpg自在なビューポート

円形/楕円だけでなく、さまざまな形状の閉じたポリラインをビューポートへ変換できるようになり、自由な図面レイアウトが可能となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

lt010.jpg画像ファイルの貼り付け

BMP/JPEG/TI FFなど、さまざまなファイル形式の画像ファイルを図面に直接貼り付けられるようになり、AdobeIllustratorのような凝ったレイアウトが可能になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動作環境

■32bit版:OS...Windows XP Pro/Home( 32bit版)いずれもSP2/Vista( 32bit版) CPU...Intel Pentium4/AMD Athlon、いずれも2.2GHz以上推奨、またはIntel/AMD製デュアルコアプロセッサ1.6GHz 以上推奨 メモリ...512MB(Vista 使用時は2GB 以上を推奨) ハードディスクの空き容量...550MB 以上 モニタ解像度...1,024×768ドット以上 その他...DVDドライブ(インストール時必須。CD-ROM 版を請求可能)

■64bit 版:OS...Windows XP Professional X64 Edition / Vista(64bit 版) CPU...Intel EM64TまたはAMD 64 メモリ...2GB 以上推奨 ハードディスクの空き容量...550MB 以上 モニタ解像度...1,024×768ドット以上 その他...DVDドライブ(インストール時必須。CD-ROM 版を請求可能)

TEXT:石崎友久(アーキウィル石崎建築設計)


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