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CAD・PC製品レビュー

大規模アセンブリを効率よく扱えるようになった機械設計/製造業向け3次元CAD

Autodesk Inventor 2009

●オートデスク製品間で統一されたインターフェイス
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オートデスクのCADやCGなどの2009シリーズに搭載されている直観的なナビゲーションツール「ViewCube」と「SteeringWheels」。これにより、AutoCADとInventorとの使い勝手の違いで戸惑うことがなくなった。なお、ViewCubeが追加されたので、[一般視点ツール]コマンドは除去された。
 「Autodesk Inventor」は、機械設計/製造業向けの3次元CADだ。4月に発表された最新バージョン「Autodesk Inventor 2009」のコンセプトは、前バージョンのAutodesk Inventor 2008のコンセプトであった「ファンクショナルデザイン」から「デジタルプロトタイプ」に進化。作成した3次元モデルで、組み立て/動作/強度などをバーチャルにシミュレーションすることで、設計ミスの削減と品質の向上を可能にするソフトとなった。


大規模なアセンブリモデルを扱いやすくなった

 Autodesk Inventor 2009の最大の特徴は、64ビット版のWindows Vsita /XP環境に標準対応となった点。CPU、OSが64ビットに対応したパソコン環境があれば、使用可能なメモリ容量が増大する(OSにWindows VistaBusinessを搭載したマシンで最大128GB)ため、32ビット環境では扱えなかった、部品点数が10万点を超えるような大規模アセンブリデータを扱える。 

 32ビット環境を考慮し、大規模なアセンブリモデルを操作する際の作業性が向上する「アセンブリの代替」機能が搭載された。[詳細レベル リプレゼンテーション]から[代替]を選択すると、一時的に複雑な形状の構成部品を簡略化された代替パーツに置き換えたり、派生アセンブリで1パーツ化した簡易モデルに置き換えられるため、アセンブリ全体が軽量化され、メモリの使用量が大幅に低減する。また、[詳細レベル リプレゼンテーション]の省略状態に対応するよう、パーツ一覧(部品表)の機能も改善された。

●アセンブリの代替機能により大規模アセンブリの作業性が向上
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複雑な構成部品を操作する際に、作業時に必要のない部分を簡略化して表示させることができる「アセンブリの代替機能」が搭載された。代替パーツ(軽量化パーツ)の作成方法は、[詳細レベル]を右クリックして表示されるメニューで[新規代替]を選び、派生コンポーネントでアセンブリをパーツ化して置き換える方法と、既存のパーツと置き換える方法の2通りの方法が用意されている。


フレームジェネレータが改良され柔軟なフレーム設計が可能

 モデリング、および設計機能も向上している。中でも注目したいのは、「フレームジェネレータ(フレーム設計機能)」が強化された点だ。フレーム設計用の部材である型鋼材やパイプ材などのオリジナル断面が、規格として使用できるようになった。

 従来は、フレーム設計時に、標準で用意されている型鋼材しか使用できなかったが、今回の機能追加で、制限なくフレームジェネレータを使えるようになった。フレームに限らず、配管のルートをスケルトンファイル(スケッチの線情報によって作成されているパーツファイル)で作成しパイプ材断面を登録しておけば、配管モデルの作成にもこの機能を効果的に利用できる。 

 さらに、型鋼材の挿入時に、スケルトンファイルオプションが追加され、より使いやすくなった。スケルトンファイルが自動作成される機能は、Autodesk Inventor 2008で追加された。しかし、ファイル名が自動的に付与され、後々、任意の名前に変更する手間がかかった。Autodesk Inventor 2009では、アセンブリファイルの保存時に、スケルトンファイルの名前もユーザーが定義できるように改善された。細かい点だが、作業効率向上につながる重要な改善点だ。

●フレームジェネレータの進化
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スケッチの[選択]オプションに[複数選択(矩形選択)][チェーン選択(連続線の自動選択)]が追加され使いやすくなった





スケッチ拘束が柔軟に行える「自由度記号」の搭載

 2次元スケッチ機能では、スケッチ拘束の条件が判断しすい「自由度記号」が追加された。拘束しないジオメトリ、部分的に拘束するジオメトリ、完全に拘束するジオメトリが、それぞれ自由度記号で示される。自由度記号は、スケッチ拘束、および寸法がジオメトリに適用され、自由度がなくなると表示されなくなる。 

●[自由度記号]の追加
Inventor05.jpg拘束されていないジオメトリのどの部分に、どのような自由度があるのか記号で表現されるようになった。この自由度記号は、拘束がジオメトリに適用され、自由度がなくなると、随時表示されなくなる





 今回のバージョンアップでは、Webサイト「Autodesk LABS」で公開されている2次元CADで作成した三面図から、簡単に3次元モデルを作成する「2D to 3D」ツール(http://labs.autodesk.com/utilities/2d_to_3d_tool/)の搭載は見送られた。だが、[押し出し]コマンドの[終点]オプションの機能が拡張されたことによって、押し出し作業が効率化できるようになった。

●[押し出し]コマンドの[終点]オプション機能が強化

Inventor04.jpg[ 終点]オプションの機能が拡張され、スケッチ、作業点、またはモデルの頂点を選択してフィーチャの編集を終了できるようになった。従来は、終点オプションを適用するために、作業平面
が必要だったが、この機能によって、作業の手数と過剰なジオメトリが削減できる





 そのほか、IGESやSTEPなどの中間フォーマットデータをはじめ、Pro/ENGINEERやSolidWorks、NXといったほかの3次元CADで作成された3次元設計データを直接読み込み、操作できるようになった。異なるCADを使用するユーザーとのデータ連携がスムーズに行え、3次元CADデータの活用範囲が格段に広がったといえる。

価格●Autodesk Inventor 2009価格一覧参照 
問合せ●オートデスク 
TEL●0570-064-787
URL●http://www.autodesk.co.jp/inventor

動作環境(標準動作環境) ●
OS...Windows XP Pro(SP2)、Home(SP2)/ Vista(いずれも32ビット、64ビット両対応) 
CPU...Intel Pentium 4、またはそれ以降の2GHz 以上のプロセッサ/AMD Athlon /AMD Opteron
メモリ...1GB
ハードディスクの空き容量...3.5GB 以上
グラフィックスカード...128MB 以上のDirect 3D 9/10、またはOpenGL 対応

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金澤久美子


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