
ノートパソコン(Sony VAIO TypeTZ、CPUはCore 2 Duo 1.2GHz)からワークステーション(HP xw8600 Workstation、CPUはXeon 3.33GHz)にアクセスし、AutoCAD 2009で3次元空間内をウォークスルーした。表示はコマ落ちせず滑らかだ。画面転送能力が高い分、CPU負荷は大きくなる傾向があり、通常作業時のCPU利用率は20~30%、ウォークスルー時は60%前後に上昇した(環境による)


ネットワークでつながっているパソコンを遠隔操作
Windows(XP以降)には、ネットワークでつながっているパソコン(送信側、リモート)の画面を、手元のパソコン(受信側、ローカル)上に転送し、操作できる「リモートデスクトップ」機能が標準搭載されている。一般のノートパソコンで3次元モデリングやレンダリングを行うのは難しいが、リモートデスクトップ機能で高機能のパソコンにアクセスすると、そのマシンパワーを借りてそれらの作業を実行できる。
「HP Remote Graphicsソフトウェア」も遠隔操作を実現するソリューションで、リモートにインストールする「Remote Graphics Sender」、ローカルにインストールする「Remote Graphics Receiver」という2つのソフトで構成されている。
受信側のパソコンにはHP Remote Graphics Receiver、送信側のパソコンにはHP Remote Grahics SenderとDriverをインストールする
受信側でHP Remote Graphics Receiverを起動した画面。送信側のIPアドレスを入力し、[Conect]ボタンをクリックするとアクセスできる
HP Remote GraphicsとWindowsのリモートデスクトップの違い
※1...解像度は送信側環境に依存、※2... 解像度はデバイス非依存、※3...国内ではLinuxサポートなし
NASAで使われた画像転送技術より、快適な遠隔操作を実現
遠隔操作ソリューションにおいて、操作性は画像転送の速さ、つまり画面表示のレスポンスに左右される。手元のパソコンで入力したマウスの動き(またはキーボード入力)は、ネットワークを通じてリモートに届き、処理されるが、処理結果が画面情報としてローカルまで戻り、モニタに表示されるまで、待てるのはせいぜい0.1秒程度。それを超えると、マウスポインタがもたつき、動作が「重く」感じられる。
Windowsのリモートデスクトップ機能で3次元CADなどの重いソフトを操作すると、この画像転送が追いつかず、表示の「コマ落ち」が発生することが多い。一方、NASAの火星探査でも使われた画像転送技術を採用しているHP Remote Graphicsでは、コマ落ちはほぼ皆無で、画質も安定している。そのほか、グラフィックスカードとの親和性の高さなど、CAD環境で利用するメリットは多い。
画像転送が速く、CAD環境に最適
しかし、ローカル側ソフト(Receiver)の使い勝手はいまひとつの印象だ。全画面表示で作業していると、リモートとローカルの画面を切り替えづらい。また、リモートの画面解像度がローカルより大きい場合、ローカル側で縮小表示できず、画面からはみ出す部分が発生する。両者の画面解像度はそろえておくのが望ましい。
本誌付録CD-ROMに60日限定評価版が収録されているので、まずはそのスピードを体感し、高性能なワークステーションの購入を検討してはどうだろうか。




