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CAD・PC製品レビュー

複数のCADデータを統合表示し、設計検証が行える3次元デザインレビューシステム

Autodesk NavisWorks 2009

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NavisWorksのインターフェイスとプレゼン画像作成機能(Presenter)
(左)「Autodesk NavisWorks 2009」のユーザーインターフェイス。アバター(人物)を表示させてウォークスルーも行える。衝突検知の有無や重力などを設定できるので、点検スペースが確保されているかどうかといった確認、階段の上り下りなどのシミュレーションが可能
(上)「プレゼン画像作成」機能(Presenter)を使い、テクスチャなどのマテリアルや光源の設定を行えば、デザインや仕上げの検討に利用できる

「Autodesk NavisWorks 2009」(以下、Navisorks)は、さまざまな3次元CADで作成したファイルを読み込める3次元レビューソフト。米Autodesk社が2007年8月に買収した英NavisWorks社「JetStream」を改良、機能強化を図った製品で、最近、建築業界で「BI M」(Building Information Modeling)への取り組みが活発化するにつれ、建築のワークフローでも重要な役割を担うようになった。

異なるCADで作成したモデルをNavisWorks上に統合表示

 BIMとは、建築のさまざまな属性情報が統合された建築モデルデータとその活用方法を指し、多くの場合、3次元モデルが中核となる。部材の材質や価格、メーカー対応年数などの属性情報を建築ライフサイクルの各フェーズで活用することで、モデル作成の効率化や関係者間のコミュニケーションの円滑化が図れる。
 ただし、多くの属性情報が盛り込まれる結果、BIMで扱う3次元モデルデータはファイルサイズが大きくなりがちで、モデルの規模や密度によってはCAD上でスムーズに表示できないことが多い。NavisWorksで3次元モデルを読み込むと、ファイルサイズが約1/3~1/10に軽量化され、3次元表示状態でもスムーズに閲覧できる。AutoCAD 2009のDWG/DXF形式をはじめ、50種類以上のCADからデータを読み込めるため、作成したソフトに関係なく3次元モデルを統合表示できる点も魅力だ。

干渉チェックと工程シミュレーションが可能

 3次元モデルを統合表示できるというNavisWorksの特徴を最大限に生かすのが、「干渉チェック」機能(Clash Detective)と「4D工程シミュレーション」機能(TimeLiner)である。
 干渉チェック機能を使うと、2次元図面では発見しにくい不整合を、設計の初期段階に発見できる。例えば、意匠設計、構造設計、設備設計などの各パートで作成した3次元CADデータをNavisWorksに統合表示すると、構造フレームと衛生給排水設備の配管が当たっている部分や、配管からのクリアランス(許容範囲)などがチェックできる。干渉している部材情報と干渉個所の画像はHTML形式のレポートに書き出せるため、修正指示も容易に行える。


●オブジェクトのクリアランス(許容範囲)を確認できる「干渉チェック」機能

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(左)干渉チェックを行うオブジェクトを2 つ選択し、[開始]ボタンをクリックすると、干渉個所の数が表示される
(右)干渉チェックの結果は、HTML 形式のレポートに出力できる。レポートには、干渉している部材の情報と干渉個所の画像が表示される


 一方、4D工程シミュレーション機能は、3次元モデルに対し、時間経過による状態変化の データを付加する機能だ。クレーンや車両などの3次元オブジェクトを、時間軸(タイムライン)と リンクさせることにより動かす仕組みで、どこにクレーンを置き、どのゲートから資材を搬入する か、どういう順番で足場を組むかといった仮設計画の確認、現場の進捗管理に利用できる。 少々敷居が高い機能だが、「Microsoft Project」などのプロジェクト管理ソフトと連携させれば、 複雑な工程管理にも対応できる。建物の整合性と工程管理の精度が上がれば、建設コストの コントロールも可能になるだろう。


●「 4D工程シミュレーション」機能は施工計画時に効果を発揮

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「4D工程シミュレーション」機能(TimeLiner)。[TimeLiner]ウインドウでオブジェクトと時間軸をリンクさせると、時間経過に合わせたオブジェクトの動きをムービーで確認できる。施工計画時に利用すれば、仮設計画や資材配置、運搬計画などの検討も可能。建物が建つ工程をクライアントに説明するときにも利用できる


プレゼンテーション力の向上でコミュニケーションを円滑にする

  NavisWorksは、クライアントに対するプレゼンテーションや社内レビューでも威力を発揮する。
 建築プロジェクトでBIMを実践するには、プロジェクトの関係者間でコミュニケーションを取 り、建物のイメージを共有することが重要だ。その点、NavisWorksの「プレゼン画像作成」機 能(Present er)では、テクスチャマッピングやレンダリングを行い、統合表示している3次元モデ ルのCGパースを作成できる。オートデスクのWebサイトで入手できる無償3次元ビューワ「Na visWorks Freedom」を使えば、クライアントへのデータ配布も容易に行える。
 設計初期段階ではコンセプトモデルの形状検討、基本設計段階ではモデルの整合性確保、実施設計や施工段階では工程/コスト管理というように、NavisWorksは建築プロジェクトの フェーズごとにさまざまな活用方法がある。
 いわゆる「BIMソフト」と呼ばれるソフトには、建築専用設計ソフト「Autodesk Revit Architecture」などがあるが、NavisWorksは、BIMソフトで作られた3次元モデルを統合管理する「ハブ」としての役割を果たす。干渉チェックや工程管理はもちろんだが、設計情報の共有ツール や、クライアントとのコミュニケーションツールとしても魅力ある製品だ。



別表 ● NavisWorksの製品ラインアップと含まれる機能

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NavisWorksの製品ラインアップは、複数のCADデータを統合し、設計検証を行える「NavisWorks Review」(345,450円)、NavisWorks Reviewにレンダリング機能や4D工程シミュレーション機能、オブジェクトアニメーション機能などを追加した「NavisWorks Simulate」(689,850円)、NavisWorks Simulateに干渉チェック機能を追加した最上位版の「NavisWorks Manage」(1,550,850円)の3種類。そのほか、無償の3次元ビューワ「NavisWorks Freedom」がある



別表 ● 対応フォーマットは約50種類

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NavisWorks 2009で対応している主なフォーマット。
※ 出力には、NavisWorks ManageまたはNavisWorks Simulateが必要
TEXT:山際 東(ビム・アーキテクツ)


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