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CAD・PC製品レビュー

Part.01 デジタル工事写真の最新基準とCALS/ECに対応したカメラの選び方

デジタルカメラの選び方、現場写真の撮り方●基礎編

デジタルカメラの選び方、現場写真の撮り方
PART 01●デジタル工事写真の最新基準とCALS/ECに対応したカメラの選び方

工事写真の電子納品は、国や地方自治体、民間発注の工事でも行われている最も身近なCALS/ECの実践例だろう。ここでは、納品写真ファイルの仕様を定めた事実上の標準、国土交通省「デジタル写真管理情報基準(案)」が要求する内容と、現場撮影に適した工事用デジタルカメラ選びのポイントをまとめた。


国土交通省「デジタル写真管理情報基準(案)」が要求する現場撮影の基本 これだけ押さえればパーフェクト! デジタル工事写真の撮り方
デジタルカメラの性能向上に伴って改訂されてきた情報基準(案)

100万画素を超えるコンパクトなデジタルカメラが新製品として市場に登場するのを待っていたかのように、建設省(現国土交通省)の「デジタル写真管理情報基準(案)」の原案は1999年(平成11年)3月に発表された。


当時のオリンパス光学工業のデジタルカメラ(CAMEDIAシリーズ)のラインアップでいうと、81万画素の「C-820L」(96年7月発売)が、131万画素の「C-830L」(98年11月発売)に切り替わった時期に当たる。銀塩カメラに比べ、100万画素を超えるデジタルカメラは高価だったが、決して工事現場で購入できない価格ではなかった。それでも、80万画素のカメラのほうが安価で普及していたために、第1版の「デジタル写真管理情報基準(案)」[平成11年8月版]では、有効画素数80万画素以上としてスタートした。「デジタル写真管理情報基準(案)」はその後数回にわたって改訂が行われており、最新版に至るまでの改訂時期と主な改訂内容は表のとおりだ(2007年11月号掲載時。最新の「デジタル写真管理情報基準(案)」は平成20〈2008〉年5月改訂)。


「デジタル写真管理情報基準(案)」の改訂時期と主な改訂内容

改訂時期撮影年月日有効画素数
(画像サイズ)
圧縮率写真編集等
 平成11(1999)年8月 条件付き必須記入 80万画素以上 非圧縮~圧縮率1/8 原則認めない
 平成14(2002)年7月 条件付き必須記入 100万画素以上 監督職員と協議 原則認めない
 平成16(2004)年6月 条件付き必須記入 100万画素以上 監督職員と協議 原則認めない
 平成18(2006)年1月 必須記入 100万画素以上 監督職員と協議 認めない

写真ファイルの改ざん防止に重きが置かれた最新版

最新版に至る改訂で特に注目したいのは、100万画素程度で落ち着いている「有効画素数」や監督(調査)職員と協議の上決定するとされている「圧縮率」ではなく、平成18年1月版で初めて改訂された「撮影年月日」と「写真編集等」の項目だ。ともに写真ファイルの改ざんを未然に防止するために導入された改訂項目であると断言してよいだろう。


最近のデジタルカメラでExif情報を付与できないものはない。写真ファイルを画像編集ソフトで操作すると、このExif情報が失われることがある。平成18年1月版にはこのExif情報に直接関連した項目はなかったが、すでに一部の発注者ではExif情報の活用を視野に入れた取り組みが行われている。例えば香川県では、Windows XPでExif情報に記載された撮影年月日を表示させ、編集(改ざん)の有無を確認している。NEXCO(東・中央・西日本高速道路株式会社)の「工事記録写真等撮影要領」[平成18年7月版]では、「撮影年月日:必須記入」「写真編集等:認めない」とした上で、「記録形式:JPEG(Exif2.1以上)」と、Exif情報の付与を義務付けている。実際、NEXCOの電子媒体チェックシステムでは、画像検査の項目でExif情報の有無を検査している。


今後はExif活用が予想されるも現場撮影の基本は変わらない

予想の域を越えないが、次回以降の改訂の検討過程では、写真ファイルの改ざん防止と関連付け、Exif情報の活用に向けた何らかの動きがあるだろう。だが、どのような改訂内容に決まろうが、撮影前には「(1)カメラの日付や画像サイズの設定を確認」し、「(2)自然でクリアな画質」でかつ「(3)適切なアングルでの撮影」に努め、撮影後は「(4)現地で写真ファイルの内容を確認する」という撮影の基本姿勢は変わらない。


民間工事用の民間(旧四会)連合協定「工事請負契約約款」第15条(2)は、監理者(通常は設計事務所)が立ち会わず施工する際には工事写真などの記録を提出することとしている。工事写真は単なる記録ではなく証拠書類との意識を持ち、画像編集できるデジタルの利点は工事写真では忘れてほしい。「デジタル写真の不適切な補正・改ざんに対しては『指名停止』等の措置」(香川県)もある。


コラム

●デジタル写真管理情報基準(案)
主に公共発注の土木工事を主なターゲットとする基準/要領で、国土交通省以外の発注者の基準/要領の雛形でもある。


●電子化写真データの作成要領(案)[平成17年4月改訂 平成18年4月正誤表対応版]
「デジタル写真管理情報基準(案)」に準拠した農林水産省の基準/要領。平成17年4月改訂版は、「デジタル写真管理情報基準(案)」[平成18年1月版]が発表された後、「撮影年月日は必須記入」「写真編集等は認めない」と、写真ファイルの改ざんを未然に防止する内容で平成18年4月に修正された。


●工事写真の撮り方改訂第2版[平成10年5月発行]
建築工事を対象とする国土交通省大臣官房官庁営繕部監修/公共建築協会編集の基準/要領で、この書籍は民間発注の建築工事でも参考図書として使われている。改訂第2版からデジタル写真についても取り上げているが、フォルダ構成や管理情報の内容は「デジタル写真管理情報基準(案)」とは根本的に異なる。画像サイズは、「画素素子の総画素数80万画素以上」「記録画素数640×480(約30万画素)以上」と定められている。改訂第2版以後、特に変更もなく、現在(最新は平成18年4月発行の第6刷)でも画像サイズなどは当時のままである。


●Exif(Exchangeable Image File Format:エグジフ)
JPEG形式の写真ファイルに、撮影情報などをJPEGの規約に準拠した形で埋め込んだもの。Windows XPではファイルのプロパティの[概要]タブで、撮影年月日やISO感度などのExif情報を確認できる。


「カメラ性能」「現場仕様」「プロユース」でベストチョイスが見えてくる! 工事用デジタルカメラ9つの選択ポイント

ほんの少し前まで、工事現場用カメラの主役は銀塩カメラだった。デジタルカメラの普及によって、予備用として旧式の銀塩カメラや使い捨てカメラが現場事務所に転がっていることはあっても、銀塩カメラが現場撮影の主役の座に返り咲くことはないだろう。


ここでは「カメラ性能」「現場仕様」「プロユース」の観点から、工事用デジタルカメラ選びの留意点や注意点をまとめてみた。これらで性能や仕様を確認した上で、手になじむデジタルカメラを購入してほしい。そして、安心して写真(=証拠)を撮影しよう。


コラム
デジタル写真管理情報基準(案)を満たすカメラ性能

01●撮影前にカメラの日付や画像サイズの確認が容易
画像サイズを誤って撮影してしまった後、パソコンの画像編集ソフトでサイズ変更するような編集作業は「デジタル写真管理情報基準(案)」では認められていない。忙しい工事現場では、撮影前に日付や画像サイズをワンタッチで素早く確認できることが望ましい。


02●自然でクリアな画質で撮影できる
フラッシュなどを使って被写体の一部を強調した陰影の強い写真よりも、濃淡は弱くても工事現場の全体がわかる自然な写真のほうが、工事写真(記録写真)としてふさわしい。


03●適切なアングルでの撮影が可能
撮影後に必要な個所だけをトリミングするような編集作業は厳禁。撮影範囲(画角)を調整できるズーム機能は必須。さらに狭い場所での撮影を想定すると広角撮影にも対応できるカメラが望ましい。


04●撮影後に写真ファイルの内容をすぐに確認できる
撮影年月日(Exif情報にも書き込まれる)に意味がある工事写真は撮り直せない。撮影結果を確実かつすぐに確認するには、できるだけ大きな液晶モニタが必要。写真の一部を拡大して確認できる機能もあるとよい。


過酷な環境の工事現場にも耐える現場仕様

05●過酷な環境に耐えられる耐久性と高い安定性
手元から落とす、物にぶつける、水がかかる、砂や粉塵がまっているなどの過酷な環境の中でも常に安定して動作することが、工事用デジタルカメラとしての最低条件だ。


06●携帯性に優れている
常に持ち歩くためにも、突起物の少ないコンパクトなボディのデジタルカメラが望ましい。


07●運用上の柔軟性を併せ持っている
内蔵充電池の容量がなくなった場合には、乾電池でも駆動できるような柔軟性があるとよい。写真ファイルのパソコンへの保存も、ケーブルなどを接続せず無線で取り出せるようならベストだ。


ホビー用途ではないプロユースにふさわしい機材

08●安心感を与える適度な武骨さがある
軽やかさやかわいらしさ、スタイリッシュを前面に押し出したホビー機とは反対に、プロの機材は安心感(重量感)が重要。ヘビー・デューティを感じさせる風格(武骨さ)もほしい。


09●故障時のサポート体制が充実している
工事用機材すべてに対して、バックアップ体制が整っている工事現場は多くない。故障時には販売店を介すことなく、直接、メーカーの窓口に持ち込めるようなサービスの有無、そしてサービス内容(修理や代替機手配など)は、デジタルカメラ、メーカー選びの決め手だ。

文●山本隆彦(CALS/ECエキスパート、一級建築士)


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