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最高の水廻りを実現する テクスチュア&デザイン講座

第1回-正方形タイルの配列デザインパターン

整列したものが少しずつ自由度をもち、ある秩序から違う秩序へと変化させることができるのもタイル素材ならではの特徴であり、よさである。
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1.タイルをずらして張る

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写真1・2正方形タイルの例(インテリアモザイクのジュエリーモザイク[右]とニュアンス[左]、ともにINAX)。
サイズは10mm角から100(97)mm角まで。用途に合わせたサイズと多彩な色のバリエーションから選ぶことができる。

正方形のタイル[写真1・2]の標準的配置はグリッド状だ[図2(1)]
縦にも横にも目地が通った状態は、施工的な観点から見ても空間の形状との整合性から見ても、最も合理的で気持がよい。ただし、整然と並びすぎると、少し疲れる。

これに変化をつけたいなら、一方の方向性を消す。縦横いずれか一方向をずらして一方向のみ目地が通らないようにするのだ[図1(1)]
この結果、逆に目地の通った一方向が強調され、少し自由度が得られた感も出る。

ずらす程度はいろいろ考えられるが、タイルに隙間の生じない配置に限定しても、一定間隔のズレ、ランダムなズレなどがあり、応用範囲は広い[図2(2)~(6)]

たとえば施工時に一方向にだけに糸を張り適当にタイルを配置すると、一方向のランダムなズレに近い結果が得られる。
このような施工から生まれる手技のデザインも大事にしたい。

次は二方向のズレだが、このとき避けられないのが、隙間(目地部分)の問題だ[図2(7)~(10)]。タイルの醍醐味とも言える隙間については別の機会に紹介する。

図1タイル配置の基本パターン thumb_detail2.jpg

2.タイルを回転させて張る

図2タイル配置のバリエーション thumb_detail3.jpg

回転の角度によっても表情は変化し、隙間の形もさまざまだ[図1(2)]
実は、一方向にタイルを回転したもの[図2(11)]と、二方向に変形を加えたもの[図2(9)]は同じである。ただし、向きが45度異なるだけで印象も変わる。写真3・4は浴室に回転させたタイルを張った場合のイメージ図だ。
色の濃いタイルを張っても隙間部分が多いことで柔らかな印象となる。

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写真3ジュエリーモザイク(INAX)を45度回転させて張った例
写真445度回転させたタイルを浴室の床・壁に張ったイメージ図。洗面スペースから同じ仕上げとすることで空間に広がり感が得られる

3.タイルを反転して配置

幾何学的変形には、ミラー反転(線対称)以外に点対称もあるが、正方形ゆえにその違いは現れにくい[図1(3)]。ただし反転を加えると、バリエーションは格段に広がる。この配置は、方向性はあいまいながらも安定感が得られる[図2(12)~(16)]

4.タイルをランダムに張る

ランダムなズレは一方向からニ方向、回転方向まで多種多様だ[図1(4)]。これらの掛け合わせでさらに多くのバリエーションができる。図2の(3)(4)はある模様からもう一方の模様へと変化する様子を表したものだ。整列したものが少しずつ自由度をもち、ある秩序から違う秩序へと変化させることができるのもタイル素材ならではの特徴であり、よさである。

- 菊地宏 -
1972年東京生まれ。'98年東京理科大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了後、妹島和世建築設計事務所勤務、
ヘルツォーク&ド・ムーロン建築事務所勤務を経て、2004年より菊地宏建築設計事務所主宰