


長方形タイルのかたちは一般的で、レンガ形状が由来となる[写真1・2]。
写真1・2
長方形のタイル(インテリアモザイク ミニディアマンテ/INAX)を使った施工例。このタイルは立体感があるので、インテリアのアクセントとして使用すると効果的だ。サイズは47.5×22.5mm、厚さは6.0+2.0mm
それゆえ、並べ方もレンガの配置パターン同様、互い違い[写真3(1)]や、グリッド状[写真3(2)]などがある。ただしタイルの場合は、積石造と異なり、構造的なバランスを考慮しなくてよいので自由な並べ方が可能になる。実際には端部役物との関係から、あまり変化に富んだ配置とはしないことが多いが、空間のアクセントとして壁の一面のみに利用する場合には、役物との納まりを気にすることなく、自由な配置を考えてみても面白いだろう。
写真3 レンガ同様の配置パターン
(1)レンガ積みにはない配置
写真4(1)のように一方向にずらす方法もある。これは縦方向に半分ずらしたものだが、横方向にずらしても違った模様となる。写真4(2)は、縦横を混ぜた構成である。本タイルの縦横の比率(1:2)を生かし、横を二段重ねてタイルの長手と幅をそろえた。ずらし方・繰り返し方次第で、いろいろなパターンができるが、この場合はタイルの縦横比も重要になる。
写真4 レンガ積みにはない配置パターン
(2)目地の印象を和らげる配置
写真5(1)は、横方向に1/3ずらした例だ。この配置は積石造にもあるが、こうすると目地の繰り返しを和らげる効果がある。目地の印象が薄くなればタイル個々よりも面的な性質が浮き出る。写真5(2)は、(1)を斜めにした例だ。こういった方向の操作を加えると、より変化がつく。壁を斜めに配置しなくても、模様一つで空間に斜め感を演出できる。
写真5 目地を目立たなくする配置パターン
(3)目地を生かした配置
次に目地を生かした例を紹介する。写真6は、Tの字にタイルを配置し、チェック模様にしたものだ。大きく織り込まれた布地のようにも見える。小さなタイルでも、目地の工夫で、より大きく目立つ配置とすることもできる。
写真6
目地を生かした配置パターン。目地をとる場合もタイルの配置次第で面としての表現が可能(4)タイルの特性を生かした配置
写真7は、今回利用したエンボス状のタイルの特性を、最も印象的に表現できた配置である。互い違いにくの字に配置したもので、方向性もほどよくあり、光の当たり方によって変化に富んだ表情となる。写真8は、この配置で具体的な事例をつくってみたものだ。壁面にこのタイルパターンを施し、空間内のさまざまな光をタイルの表面が捉えられるようにしている。落ち着いた明るさのなかでタイル模様がしっとりとした印象を与える。ただの白い無地の壁とは一味違う、優雅さや上品さを演出できるのもタイルの魅力だ。
写真8
写真7の配置パターンを棚上の壁部分に使用した例。明るさを抑えた照明にすることで本タイルの立体的なテクスチュアを強調している


