大塚商会は2月6日から8日まで、東京・品川のホテルパシフィック東京で、「実践ソリューションフェア2008」を開催した。「発注者が望む建築3次元設計のすすめ」と題されたセミナーでは、あおぞら信託銀行・土手英俊氏により、受注者(設計者)側からばかり語られていた3次元建築設計の意義やメリットが発注者の視点から語られ、注目を集めた。

33年間、建設会社で企画設計に従事した経歴を持つ土手氏は、建築3次元設計を「建築情報のインフラおよびプラットフォーム」と定義づけ、3次元データを多面的な情報を一元化できるプラットフォームと説いた。図面上のオブジェクトが属性を持つオブジェクト指向CADの出現以降、設計モデルに高さ情報や時間情報を付与できる段階まできているものの、3次元設計の導入/運用はなかなか進んでいない。この理由として、当事者である受注者から「施主や発注者からのニーズがない」という指摘がなされるが、土手氏はそうではないと言う。
3次元設計データは、図面の整合性や数量計算/解析が行えるなどの特徴を生かして設計段階において活用できるのはもとより、建物の維持管理に役立つ劣化情報を3次元モデルに取り込めば、竣工後の活用まで見込める。3次元による建築情報を資本化し共有することで、発注者にとっては、設計の初期段階に重きを置く3次元設計で早期から企画に参画でき、建設コストやライフサイクルコストの低減を社会的評価の向上に結びつけられる。受注者(設計者)にとっても3次元の視認性の高さを生かしたコミュニケーションが可能になり、正確な図面情報が生み出すメリットが業務範囲の拡大につながる。3次元情報を活用できる土壌が整いつつある今、発注者が3次元設計に目を向ける意味は大きい。