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ニュース&トピックス

OOEsi.jpg2008年2月22日、東京・三田の建築会館にて、日本建築学会 材料施工委員会 建築生産VR小委員会(主査:早稲田大学 嘉納成男教授主催によるシンポジウム「3次元CADが拓く建築生産の未来像」が開催された。シンポジウムには、建築の発注者にあたるトヨタ自動車の篠塚洋一氏、総合設計事務所プランテックアソシエイツ代表の建築家大江匡氏が講演者として招かれ、建築業界の内と外から、建築ビジネスモデルの変革が促される形となった。

篠塚氏によると、同社では、2002年から国内の重点プロジェクトには3次元設計を実施することで設計精度の向上を図っており、同時にその3次元モデルを使って保全性の事前検討を実施しているという。海外でも07年から3次元設計を開始し設計精度向上の手応えを感じているようだ

「設計データが建築・設備の設計者全員で共有でき、施工までスムーズに流れる仕組みを構築することで、素早く最適な設計提案を求めたい」と言う篠塚氏の口調は終始柔らかいが、建築業界にとってその言葉は重い。一品生産というジレンマが常に付きまとう建築業界ではあるが、発注者のこのような声は真摯に受け止める必要があるだろう。

続いて講演を行った大江匡氏は、建築の利益率の低さに警鐘を鳴らす。7年間で年率平均15%の成長を遂げているプランテックアソシエイツでは、市販のコンピュータによる、コスト的に見合う形でのクライアントとのコミュニケーション方法を模索してきたという。

その具体例として提示されたのが、プレゼンテーション用の3次元パースやムービーだ。プランテックアソシエイツではすべて自社内で制作できる体制を整えており、コンペの4時間前までムービーの修正が可能となっている。敷地を提示された2週間後には、超高層マンションのプランをムービーで提案することも実際に行われている。これを可能にしているのが、内製体制と3次元モデルのライブラリの蓄積である。

ただし、VR(バーチャルリアリティ)自体の付加価値はすでにないと大江氏は言う。付加価値はどこにあるのかといえば、工場ができる以前からVRによる生産トレーニングができるといった「VR以外との連携」にあるという。

なお、同シンポジウムで報告された、建築生産VR小委員会がゼネコンや設計事務所などを対象に行ったアンケート調査によると、3次元CADへの移行は2017年から、つまり9年後という予測結果となった。急激に利益率が落ち込んでいる建築業界にあって9年という時間が長いか短いか、皆さんはどう考えるだろうか。

今回の技術予測調査結果の詳細は、次のURLからダウンロード可能です。

http://news-sv.aij.or.jp/zairyou/s8/