
日建設計総合研究所上席研究員である山村真司氏は、「A&A環境建築ソリューションセミナー」(エーアンドエー主催)において「温暖化時代に求められる環境プロポーザル」と題する特別講演を行い、「熱環境シミュレーションソフトを使って計画地の表面温度シミュレーションを行いながら設計検討を行い、実際にできた街区をサーモカメラ等で測定し、計画前の土地の平均気温と比較したところ、約2度気温が低下した」と発表した。事例として取り上げられた環境配慮型街区は、日建設計本社周辺地域。周辺の複数事業者の敷地と公共空間を統合し、点在する既存の水や樹木(クールスポット)をつなぐことで計画地の気温の低下を図ったという。
山村氏はこのほか「都内団地街区計画では気流解析ソフトを使用し、建築物の配置検討を行いながら、計画地近くの河川敷から流れてくる、周囲より1~2度低い風の流れを取り込むよう計画を行った」とする事例も紹介した。山村氏は、環境に配慮した建築計画を行う際、解析ソフトを使用し、客観的な評価や検討を行うことが重要だと語った。
いずれの事例においても用いられた熱環境シミュレーションソフトは、「サーモレンダー」(エーアンドエー)。サーモレンダーは、東京工業大学の梅干野(ほやの)晁教授とエーアンドエーによって共同開発された。同ソフトでは、屋外全表面の表面温度をサーモグラフィーで表示できる。当該敷地が大気に対してどれくらい熱的負荷を与えているか評価する指標「HIP(ヒートアイランドポテンシャル)」の算出により建物の施工前と施工後の土地を比較し、その土地の顕熱負荷(大気を暖める要素)の増減を評価/検討できる。最新版は「サーモレンダー3 Pro」(基本ライセンス価格1,575,000円)。
(CAD&CGマガジン●宮内梢)
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