
トータルハウジング大賞は、トステムと全国の工務店からなる「TH友の会」の会員工務店を対象に、毎年実施している住宅施工例の総合的コンテスト。新築住宅を対象とする「新築部門」と、リフォーム物件を対象とする「リフォーム部門」に分けられる。今年は、合計1,069作品(新築:762作品、リフォーム:307作品)の応募があった。
TH大賞を受賞したアークホーム「S様邸」は、100坪という広い敷地に建つ木造平屋住宅(写真1~6)。
外観やプランニングは至ってシンプルで、高橋てい*一氏(第一工房)ら3名の審査員は、無駄を排したディテールを「ミニマムの美」と評した。施工を担当した同社の武市宗三氏は、「シンプルだけに逃げが効かず、各部の収まりにはかなり気を使いました」と話しており、プランを実現するために高い施工精度が要求されたことが伺える。このほか、開口部を大きくとって自然光を積極的に取り込んでいる点や、庭や中庭を効果的に配置して内外をうまくつなげている点も評価された。



写真1~6:「S様邸」(撮影:幸田青磁)
リフォーム大賞を受賞したモノリス秀建「町屋のとんがり小屋」は、築40年の鉄骨造3階建から平屋へのリフォーム(写真)。
無駄を排除しコンパクトに住まう「減築」という発想を体現した点が評価された。施主は自営業で、1、2階を事務所、3階を住居としていたが、退職をきっかけに2、3階部分を解体して平屋住宅とすることにした。これだけの改修であれば「建て替えたほうが良いのでは?」と思うが、大きいベタ基礎を含めた建物の解体費用や申請手続きの時間などを考慮し、改修のほうがコストや手間などを省力化できるという結論に至った。設計を担当した同社の高橋輝氏は「住居部分が3階から1階となることで、いかに採光を確保するかが課題でした」と話す。周囲は建物が密集しており、1階での採光がかなり難しい。そこで屋根面を活用して天窓を使う案もあったが、屋根勾配にギャップをもたせてハイサイドライトを採用することでより安定した日射を得られるようになった。さらに日射の効果を得るため、内装は白を基調とした。また、躯体性能については、構造設計者を交えて検討し、耐震補強を行っている。



写真7、9、10:「町屋のとんがり小屋」、写真8:同、改修前(左)と改修後(右)
*へんが「青」の異体文字でつくりが「光」

