設計事務所: 2008年11月アーカイブ
株式会社内田洋行は、スイスのオフィス用の椅子を製造販売する
Dietiker社(ディーティカ社)と国内独占販売契約を締結した。

その記者発表会がスイス大使公邸で開かれた。
スイス大使による日本とスイスの企業の締結を歓迎する
とのご好意で実現したそうだ。
一切の無駄を省いた長く使える椅子を製造してきた。
創業時はいわゆる『嫁入り道具』としての椅子の製作をしていた。
親から子へ受け継がれるものは耐久性に優れていなければならず、
長く使える椅子を造ることは創業以来からの一貫した理念である。
また、必要最低限の材料しか使わないことにも徹底している。
その意は椅子のフォルムを見るだけで理解できる。
しかし、在庫を一切持たないことには驚かされた。
全て注文された数だけを生産し必要とされていないものは作らないそうだ。
内田洋行は、このDietiker社のロングライフ思考と環境に十分に配慮した
物づくりに共感し、独占販売契約をした。

発表会でのDietiker社による話の中でハッとしたことがあった。
普段、私達は『椅子』について考えたことがあるだろうか。
人と会話をするときはどんな体勢だろうか。
何かを考えているときはどんな体勢だろうか。
パソコンに向うときはどんな体勢だろうか。
食事をするときはどんな体勢だろうか。
ソファでもなく、『椅子』に座っているのではないだろうか。
そして、それらの時間は一日のどれくらいを占めるのだろうか。
考えてみると寝ている時間と同じか、あるいはそれ以上ではないか。
私たちはこんなにも長い時間椅子に触れている。
それならば、もっと心地良く美しいものに座るべきだ。
就寝時にはベッドや枕の固さなどが大事だが、
椅子についてもそれと同じくらい敏感になるべきだろう。
では、オフィス用に最適な椅子とはどういうものだろうか。
それは、心地良いけれど適度な緊張を保てる椅子。
仕事中にあまりにも心地がよくて寝てしまうのでは意味がない。
気持ちよく仕事ができるようにサポートしてくれる椅子。
実際に、発表会で展示されてあったDietiker社の椅子に座ってみたが
心地良く業務を遂行する自分を想像し、スッキリと爽やかな気持ちになった。
作り手の様々な想いが伝わってくるような、そんな感覚さえした。

そのDietiker社には最小限の素材しか使わないからこそ必要な
高水準の技術がある。その独自の技術をご紹介しよう。
●ネジを使わずに木とアルミを接合する接着剤。
独自に開発したという企業秘密の接着剤を使うことで、抜群の接着効果がある。
ネジを使わないことで緩みの心配がなくなり、より長く使うことができる。
●フィンガージョイント技術
クシのような細かな細工をすることによって接着面積が広がりより強度に
接合することができる。写真を見れば納得だろう。

これらの技術がいかに高水準かが分かるエピソードがある。
サッカーファンでフーリガンと呼ばれる人達がいるが
彼らの中にあっても一つも壊れた椅子がなかったという。
サッカーファンの方ならどれだけすごいことなのかが分かるだろう。
内田洋行は、26色に及ぶカラーバリエーション、5年間の無償保証、
潮見オフィス内にショールームを開設するなどし
3年目で5億円の販売目標を掲げている。
●内田洋行HP
●プレスリリース
