大岡弘武のワインづくり 自然派ワインと風土と農業と

定価 1,800円+税
著者名 大岡 弘武 (著), 中島梨絵 (イラスト), 石井宏明 (写真)
ページ数 240
判型 A5判
発行年月 2021/09
ISBN 9784767829241

こちらのネット書店から購入できます。

大岡弘武のワインづくり 自然派ワインと風土と農業と

内容・概要

「自然がヴァン・ナチュールをつくらせる」
フランスで自然派ワインをつくり、世界的評価を得た栽培醸造家・大岡弘武、待望の初著書!

フランスで自然派ワインをつくり続け、世界的評価を得た栽培醸造家・大岡弘武氏。
2016年日本に帰国し、岡山県で自然派ワインづくりを開始しました。
岡山での自然派ワインづくりは、耕作放棄地や農業人口の高齢化、日本でのワインづくりに適した葡萄品種の改良、多湿な気候下での葡萄栽培、地方創生などなど、新たな課題へのチャレンジの連続でもありました。
本書では、フランスでのワインづくりを経て、移住先・岡山でワイナリーを立ち上げるまでを振り返りながら、
日本での葡萄栽培の課題と現実、そして自然派ワインの理念と魅力、
さらには自然派ワインができるまでの工程までを分かりやすく、軽快な語り口で解説していきます。
また写真やイラストも全頁フルカラーで多数掲載。普段はなかなか見られない、葡萄畑やワインづくりのようすを余すところなく紹介します!

【目次】
はじめに
1章 日本で自然派ワインをつくるということ
ワインに目覚めたころ/醸造学を志してフランスへ/栽培長の日々/そして醸造家になる/帰国の決意―職業的な理由/フランスで見えたワインづくりの限界/新天地・日本で新たなワインづくりを/岡山でワインをつくることにした/帰国の決意―家族の理由/フランスでの子育て/日本の葡萄栽培の適地はどこだ?/移住先の候補地/いったいどうして岡山なのか/縁を感じたとき/飛行機が飛ばない!? 帰国の顛末/古民家リフォーム/理想のキッチンを手に入れろ! /いよいよリフォーム開始/電気と水道が思いどおりにならない! /畑を借りる/畑がどんどん集まってきた! /耕作放棄地は悪いものなのか?/耕作放棄地を再生させる/酒造免許を取る/ワイナリーの現実/醸造場を探す―醸造業は農業か工業か?/醸造器具をそろえる/安いものを工夫すればヤフオクでそろう/六百万円で醸造場ができた! /百年もののプレス機を使う/思い出の詰まったプレス機を譲り受ける/ガラス温室のある岡山の風景/葡萄の実を整える大変さ/ガラス温室と植え方をめぐる不思議な縁

2章 栽培醸造家という仕事―ワインのための葡萄を育てる
自然派ワインと葡萄栽培/大切な葡萄の花/気温が葡萄とワインの味を左右する/収穫日の決定が難しいわけ/収穫日をめぐるたくさんの軸と要素/日本で葡萄を育てるには/葡萄の新しい仕立て方/ワイン産地と固有品種の〝適種適所〞な結びつき/日本の品種「ヤマブドウ」/岡山産ワインに適した新品種をつくる/品種登録の陰にある育種家の苦労/ワイナリーと育種家の新しい関係/葡萄を狙う動物たち―宿敵はイノシシだ! /葡萄をきれいに食べていく鳥たち/動物たちとの攻防は続く

3章 自然派ワインができるまで
自然派ワインのつくり方、教えます/自然派ワインの味わいと特徴/亜硫酸の効果/自然派ワインと亜硫酸/大岡流ワインのつくり方/発酵タンクの素材/発酵タンクの形/葡萄を破砕しておいしさを抽出する/ピジャージュのやめどきと葡萄の熟成度/プレス前夜―樽の準備と空き樽のジレンマ/二種類のプレス機/プレス当日―よいものは少ししかとれない/どんな素材で熟成させるか/熟成に何を期待するのか/熟成をコントロールする/最後の瓶詰めで味が決まる/「いつ瓶詰めするか」が大事なわけ/コルクは生産者のいちばんの悩みの種/実は多彩なコルクの種類/最も重要なスキルはテイスティング能力/醸造家のテイスティング/醸造家の晩酌
おわりに―日本ワインのこれから

■著者
大岡弘武(おおおか・ひろたけ)
1974年東京生まれ。1997年明治大学理工学部卒業、同年ボルドー大学醸造学DNO(醸造士コース)入学。1999年同大学を中退、ボルドーBTSA(醸造栽培上級技術者養成校)に入学、2001年同資格取得。2001年〜2002年ギガル社でエルミタージュ地区栽培長、2002〜2006年ドメーヌ・ティエリー・アルマンの栽培長を務める。2002年ラ・グランド・コリーヌ社を設立、フランスにおける日本人の個人ワイナリーのパイオニアとなる。2013年『ニューヨーク・タイムズ』(世界版)に取材を受け、世界の一流レストランでワインが採用されるようになった。2016年帰国。ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン社を立ち上げ、岡山県で葡萄栽培とワイン醸造を開始。2021年、一般社団法人おかやま葡萄酒園を設立。現在、日仏でワインづくりのコンサルティングを行う。訳書に『ピエール・オヴェルノワ 実りの言葉』(ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン、2017年)がある。

関連書籍