サッカー監督の決断と采配-傷だらけの名将たち-
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データサイズ | 約6MB |
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販売状態 | 販売中 |
制限事項 | 印刷不可 ・ コピー不可 |
販売開始日 | 2024/06/20 |
定価 | 1,680円+税 |
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著者名 | ひぐらしひなつ |
ページ数 | 256 |
判型 | 四六 |
発行年月日 | 2023/03/02 |
ISBN | 9784767831176 |
サッカー監督の決断と采配-傷だらけの名将たち-
内容・概要
サッカー監督の本音と実像に迫る傑作ノンフィクション
Jリーグで鎬を削る「傷だらけの名将たち」の生き様と采配の舞台裏を描く
サッカー監督の「決断」と「采配」をテーマにしたノンフィクション短編集。Jリーグを中心に指揮をとる9人の監督に取材を重ね、その生き様と采配の舞台裏を描く。
成功と失敗が紙一重のサッカーにおいて、ずっと結果を残し続ける監督は過去にも現在にも、おそらく未来にも存在しない。どんなに有能な監督も必ず敗れさるときがくる。選手の起用、戦術の決定、チームマネジメント……様々な局面で問われる監督の決断で揺れ動く勝敗の機微。
歴戦の指揮官は自らの采配とその結果をどのように受け止めて生きているのか?
どんなに叩かれても、クビになっても、また修羅場に足を踏み入れるのはなぜなのか?
カタールW杯でも話題になったように、監督の采配はチームの勝敗のみならず、関係する多くの人の人生も左右する。そのような重責を一身に背負う指揮官の決断の舞台裏には、実にドラマティックで不条理な物語が存在している。
■北野誠(元カマタマーレ讃岐、FC岐阜監督。現マッチャモーレ京都山城監督)
「結局あの湘南戦を、俺は自分のために戦っていたんだよ。自分が楽しければいいやってね」
■木山隆之(元ジェフ千葉、愛媛FC監督。現ファジアーノ岡山監督)
「あのときの僕はもう、あの試合で、撤退の旗を振れなかった」
■小林伸二(元清水エスパルス、モンテディオ山形監督。現ギラヴァンツ北九州SD)
「監督が世間の方々から言われることは『いいね』と『何やってんの』のふたつしかない。覚悟しておかなくちゃいけない仕事ですよね、残念ながら」
■吉田謙(ブラウブリッツ秋田監督)
「選手が決断したものを、一緒に決断していきたいと思っています。君が腹を切るなら俺も切るという感じです。俺が切るからお前も切れ、ではなく」
■石﨑信弘(元柏レイソル、山形監督。現ヴァンラーレ八戸監督)
「『この内容でなんで勝てないんじゃろう』というときって必ずある。まあでも、勝てなければワシがクビになればいいだけの話じゃから」
■高木琢也(元横浜FC、V・ファーレン長崎監督。現長崎CRO)
「チームが好調なときは、自分がいまのチーム状態に手を加えることが怖いんですよ。僕が余計なことをやっちゃいけないなと」
■片野坂知宏(元大分トリニータ、ガンバ大阪監督)
「このサッカーを続けなくては上手くならない。ミスして失点したら俺が責任を取るから続けてほしい」
■田坂和昭(元大分、清水監督。現北九州監督)
「あの頃は、ただ単に自分の情だけで動いていた。結果、たくさんの人に迷惑をかけたと思う。勝ってナンボなんだというのが、この10年以上の経験の中で、あらためてわかったんだよ」
■下平隆宏(元柏、横浜FC監督。現大分監督)
「選手が試合中、上手く行かないときにこっちを見ることがやたらと多かった。いろんなものを捨てさせないといけないと覚悟を決めた」
(以上、本文より抜粋)
Jリーグ30周年。あらゆるものがデータ化され、記号化が進むサッカー界において置き去りにされそうな人間ドラマを描いた作品、ぜひご一読ください。
◆著者からのメッセージ
「長らくサッカーの現場を取材させていただきながら、サッカー監督という生き方を選んだひとたちのことを、特に興味深く見守ってきました。ときには無様な負け姿を晒し、むしろ完璧な一日を迎えることなどほとんどない本当にタフな日々を、彼らは送っています。その姿を見ていると、こちらまで勇気をもらえる気がする。取材中に得た『その感じ』をたくさんの人と共有したいと思いながら、この本を書きました。みなさまがサッカーやJリーグをよりディープに楽しむ一助となれば幸いです」
目次
【目次】
非情になれなかった男 田坂和昭
かくしてロックは鳴りやまず 木山隆之
「失敗しない男」のたったひとつの失敗 北野誠
寡黙は金 吉田謙
「昇格請負人」の仕事は終わらない 小林伸二
石の上にも25年 石崎信弘
カメノサカの恩返し 片野坂知宏
理にかなっていた采配 下平隆宏
大砲から大樹へ 高木琢也